2010年のGWにベストコンディションを逃したR4に再チャレンジして来ました。
我々以外は他パ−ティ−はおらず貸切で登れ、アイス収めとして良い山行が出来ました。
登山期間】;2012年4月29〜30日
【山   域】;北アルプス/剣岳・剣尾根R4
【参加メンバー】;稲葉龍、藤井
【日程・行動概要】
28:西国分寺発(15:30)→中央道→信越道経由→馬場島(9:30)
29:馬場島(6:00)…池ノ谷ゴルジュ突破(9:30)…二俣CS(12:00)
30:CS発(4:15)…R4取付(6:00)…ハング下(8:00)…雪壁入口(9:30)…ドーム(11:00)…R4取付(12:00)〜CS(13:15)〜二俣発(14:00)
  …池ノ谷ゴルジュ突破(15:30)〜馬場島着(17:00)→アルプスの湯→魚津
5/1;魚津発(6:00)→上信越道経由→さくら市(12:00)

稲葉記
2007年、剣尾根をコルCから敗退し、池ノ谷に降り立って見上げたR4は眩しく一条の氷を垂らしていた。
2010年、やっと挑戦する日が来たが、予想外の寒波で小窓尾根で燃え尽きてしまいベストコンディションを逃す。
そして今年、はっきり言って準備も万全とは言えず葛藤する中、登ることに決める。
4月29日 晴れ
 馬場島から見た真っ黒な小窓尾根に「氷が無いんじゃない!?」と思い、県警の人にもダメだしされる。二股でとんぼ返りかと感じつつも、池ノ谷ゴルジュへ入っていく。気温は高くゴルジュ内も足首まで潜る始末。二股に着くと同時に2人パーティーが下りてきていてR4の話を聞くと氷はバッチリとか。俄然やる気が沸いてフジイと喜ぶ。
4月30日 曇り
  4:00発で取り付きには6:00着。連休最終日なのか他のパーティーは居ない。
氷は前回よりはだいぶ溶けてはいるがありそう。稲龍から登攀開始する。サブザックを一つにしてリードは空身とした。
1P目(稲龍)
悪い悪いと言われている1P目はプレッシャーが大きかった。雪のバンドからトラバース開始。出だしでナッツを利かせ、残置ハーケンのところでの一歩上がるところがなかなか踏ん切りつかない。一度下に下がりながら一段上がると半端な氷のランペ。途中エイリアン黄を決める。眼前の氷に移るまでが緊張するが、よく効いたハーケンがあり遠慮なくクリップ。氷は岩から離れておりバイルはそっと刺す。傾斜が急なところは右上気味に逃げて乗り越すとほぼロープ一杯で2P目のビレイ点に到着。赤キャメ、ナッツ、バイルでビレイ。2P目の藤井の落とす落氷がひっきりなしに飛んできて大変。
2P目(藤井)
目の前の直瀑は繋がっているもののシャンデリアなので却下、左から回り込んで岩溝内の氷に行く。ガイド通り左の岩をうまく使って傾斜を殺して登る。氷はボコボコで引っ掛け、良くも刺さるが水が滴って濡れない様に登る。ロープ一杯でハング下のビレイ点まで届く。
3P目(稲龍)
水はジャージャー流れているものの左寄りの氷はとても硬く、モノポイントで来れば良かったと後悔したくらい。傾斜もV+程度だが高度感がありロケーションも良く、アイスセクションで最も面白かった。ここも50m一杯伸ばす。アイススクリューはバッチリ決まる。
4P目(藤井)
3P目より傾斜が落ちる。小滝を超えると氷は終了で上部雪壁の全容が見える。ここで水を沢山飲んで小休止。チンネからコールが聞こえる。中央チムニーを登っているようだ。
5P目(稲龍)
右の這松帯に支点を探しながらロープを目一杯伸ばす。雪は締まって快適。親指よりやや太い這松でビレイ。
6P目(藤井)
ビレイ点を左壁に求めるが脆くて手がつけられない。ロープを目一杯伸ばしてバイルアンカーでビレイ。
7P目(稲龍)
最後の露岩のピッチ。途中エイリアンで左壁に支点を取る。露岩はこれまたもろくランナーも取れないので結構しょっぱい。右の太い這松でビレイ。気圧の谷の通過で霰が降り出し、風が強くなる。
8P目(藤井)
ちょっと登るとドームの肩に出て終了。11:00と早く終了出来て嬉しい。吹雪模様なので行動食を詰め込み、コンテでコルBに向かう。昨日のパーティーのトレースが残っており、難無く到着し、這松支点でシングル懸垂。後はR2をガンガン下りR4取り付きに12:00到着。
早く終わったら下山しようと話していたので速攻、二股に帰幕し14:00には出発。白萩川出合に15:30、馬場島17:00着でした。

またやって来ました

ココからは歩くだけ

快適な二俣

取付き

1P目

2P目核心

ハング下のビレイ点

快適な3P目

上部の雪壁

ル−ト全容

<テクニカルコメント>
カムとしてエイリアン(緑、黄)、キャメ(赤、金、緑)、ナッツを小サイズ7セット持って行った。
1P目はビレイ点含め役立った。特にナッツが有効でハーケンは打たず。
氷はやっぱり全体的に薄いのでアイススクリューは短い物を多くした方が良いかも。
ピッチの区切りは50mロープを目一杯伸ばすことを意識して登ったがルートが直線的なのでリードの落とす落氷、落石を避けるポイントで切ることも考慮すれば良かった。(先行Pが登っていたら怖くて取り付けない)
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