【登山期間】2002年4月7日
【山 域】上越/苗場山
【参加メンバー】天野 単独
【日程・行動概要】
6日;川口⇒赤沢集落
7日;小赤沢集落からの林道・990m付近(3時間15分)頂上台地(30分)苗場山山頂(1時間10分)林道
※コースタイム(休憩時間を除く)
天野記
4月6日(土)
以前から山スキーで苗場山というのにちょっと思い入れがあったので、秋山郷から小赤沢経由の山頂往復コースを計画した。しかし同行者が見つからず結局ひとり。単独は趣味ではないが今回あまり呼びかけもしなかったし、たまには気楽でいいかもしれない。あまり深く考えない、ようにして出発。
天気は明日の午前中まで雨で、昼から回復という予報。よっぽどやめようかと思ったが、せっかく組んだ予定がもったいない。気持を奮い立たせてアクセルを踏むが、群馬に入ると早くも雨。十二峠ではみぞれ。すでに戦意喪失だがここまで来て帰るわけにもいかず小赤沢の集落まで入る。いやーしかし秋山郷のなんと遠いことか。湯沢のI.C.から1時間半かかった。明日がどうなるか分からないがとりあえず仮眠。
4月7日(木) 曇り後快晴
朝起きると雨がやんでいる。オヤオヤ。林道は990m付近まで車が入れる。980m付近のスペースに駐車して、身支度を整え出発。すぐ先の小沢から板を履いて登り始める。ほぼ夏道通しに登るが沢はすでにあちこち口を開けていて、カエデ沢はやばそうなスノーブリッジを渡る。そこから夏道の尾根に取付く急斜面は、南向きのためか地面やブッシュがあちこち露出していて、板を脱いではい上がる。以降、細い尾根上や沢の中をブナやオオシラビソの樹間を抜けながら適当に登っていく。静かな原生林の中を登っていくのは気持いいが、慣れない単独行のためか気がせいてしまってオーバーペース気味に。しかもいつの間にか天気は快晴で、汗だくでビショビショだ。
ダケカンバ帯に入り最後の200mの急登の手前でクライミングサポートがポッキリ。丁度いいのか悪いのか。ツボ足で登り始めるものの、昨夜降ったと思われる5〜6cmの新雪がベシャベシャ、その下がズブズブ。胸突き八丁の急登は終始ヒザ上までのズボズボラッセル。岳人の記事では「ここは堅雪なのでアイゼン用意」とあったので、わざわざ背負ってきたというのに。ただしもしこの斜面が本当に堅雪なら、ピッケルが欲しい気がする。
拷問のような急登を抜けると雪原の広がる山頂台地に飛び出す。何とも言えない開放感に思わず嘆声が洩れる。緩やかな風が吹き抜けていて、鳥甲山や佐武流山など展望も最高だ。あとは雪原をトツトツと進み山頂到着。少し感動、しばし休憩。
誰にも会わない山行なんていつ以来だろう、などとぼんやり考えながら雪に埋もれた山頂ヒュッテの屋根に座って昼食をとる。それにしてもいい気分だ。天気は快晴。伸びやかに広がる気持ちのいい雪原。360度の最高の展望。正真正銘の独り占めだ。ザマーみろ、「ワッハッハー」。しまった、声を出して笑ったらちょっと虚しくなってしまった。もう降りよう、早くしないと・・・。
下りは山頂から直接小赤沢に滑り込めるらしいが、恐そうなので往路を忠実に戻る。山頂台地からの急斜面は上から覗き込むかぎり、転倒したら下まで止まらないかダケカンバに激突だろう。最初は強引なターンを何度か入れたが、板は回らないし足が悲鳴をあげているし、何よりもしものことを考えると1人というのはすごく恐い。途中からは斜滑降とキックターンでズリズリ下降する。しかし急斜面の後のせっかくの林間コースも心配した通りビシャビシャのズブズブで、とても「楽しい滑降」というわけにはいかなかった。天気は最高、原生林の斜面も最高、しかし肝心の雪が最悪だ。結局下りも汗ダラダラで転げるように、というより転げまくって降りてきた。
変化に富んだコースと奥深く静かな自然を堪能できた今回の山行だが、超ハードトレーニングの様相も呈していて、もう少し軽めに納まってくれるとありがたかった。もうちょっと雪が多くて締まっている時に是非もう一度訪れたいコースだ。みなさんにもお勧めです。
帰りは小赤沢の集落で「楽養館」(0257-67-2297、入浴料\500)の赤い湯(赤土の泥水のような)で汗を流しサッぱり。見た目は一瞬「ゲッ」と思うけど結構いいお湯でした。温泉のほうもお勧めしておきます。是非どうぞ。
〈参考資料・記録〉
岳人 1993年3月号 通巻549号3月23日 小雪時々晴れ