夏合宿前半は7〜10日で剣に行きました。
Cフェース剣稜会ルート〜八ッ峰上半縦走とチンネ中央チムニー〜bクラックを登りました。
左稜線はいつも大盛況ですが中央チムニーは我々だけで静かな登攀が出来ました。「V級」というグレードに山靴で行けると思ったら、とんでもなく2ポイントA0が入ってしまいました。チンネのV級は辛いと痛感しました。しかし去年より天気に恵まれて良かったです。なんとかGWにも登りたいと思っています。
【登山期間】;2004年8月7〜10日
【山 域】;北アルプス/剣岳/八ッ峰・チンネ周辺
【参加メンバー】;稲葉ズ 計2名
【日程・行動概要】
6日;氏家発(20:30)→立山駅P(3:30)車中泊
7日;駐車場(7:30)→室堂(9:00)〜剣沢(12:30)〜熊ノ岩(17:30)
8日;熊ノ岩BC(6:15)…Cフェース剣稜会…八ッ峰ノ頭(14:00)〜池ノ谷乗越(15:00)〜熊ノ岩BC(16:00)
9日;熊ノ岩BC(3:10)〜取付き(7:25)…中央チムニー〜bクラック…チンネの頭(11:30)〜池ノ谷乗越(13:00)
〜熊ノ岩BC(14:00)
10日;熊ノ岩BC(7:00)〜室堂(15:00)→立山→富山
稲龍記
8月6日 『出発』
19:00に氏家を出発しようと思っていたが、やはり遅れてしまった。のんびりペースの2人なのでしょうがない。西尾さん宅でバンド式アイゼンを借りる。缶ビールの差し入れも頂いてしまい感謝感謝。ベニマルで買出しを済ませ長い旅路の始まりである。最近ハイエースにはETCを取付けたので高速が楽しい。今回は2人だけなので運転が辛い。2人とも眠くなったら寝てしまおうと敗退覚悟で頑張った甲斐あってか幸い空いていたのか3:30頃立山駅Pへ到着。蒸し暑いのでルーフ窓を全開で寝る。
8月7日 晴れ 『入山』
本山行のテーマは軽量化で酒、シュラフ無し。ザイルも9mm一本、靴も登山靴のみと少々無謀かと思ったが削りに削った。パッキングしていくと90Lチャクラがスカスカで失敗した。7時台のケーブルで出発。朝イチは混んでいるのに今はガラガラで座れる。バスに乗り継いで称名滝も見れた。天気は良さそうである。室堂では雪の無さに驚く。雷鳥平からはガスが沸いてくれて涼しく登ることができた。剣沢キャンプ場には7月の豪雨の爪痕が残っており1mくらい溝が出来ていた。雪渓を下り始めてからもモレーンの様に土砂が堆積している。長次郎出合からちょっと入ったところにも車大の岩が溜まっている。どこから転がって来たのか?
アイゼンを装着し登り始める。途中雪渓が切れているが、遠く池ノ谷乗越までは雪渓が見える。いつもながら熊の岩までの登りはくたびれる。江美子はバテバテで遅れて到着。水の心配をしていたが雪田はしっかり残っていた。テン場が混んでいる為、雪渓の隣にテントを張る。雪渓側に寝た私は夜中に寒くて辛かった。
8月8日 快晴 『Cフェース剣稜会〜八ッ峰』
快晴の朝を迎える。目の前に八ッ峰の岩峰が現れてくると昨日の疲れが吹っ飛び、やっぱりココまで登って良かったと思う。下から続々とクライマーが登ってきて7:30に取付いた我々は3番目。延々牛歩ペースで11:00にCフェース頭に到着。他のパ−ティ−が降りていく中、八ッ峰に向けて縦走を開始する。前回は初めてで三ノ窓側の巻道をテクテク歩いてしまった。今日は忠実にリッジ通しで登行を繰り返す。[峰の登りがやや手応えある。[峰と八ッ峰ノ頭のギャップが急なのでここで初めてザイルを出す。充実感に浸りながら頭に立つ。チンネは大盛況でたくさんのコールが聞こえている。難なく池ノ谷乗越に降り立ち熊の岩BCへ向かった。
8月9日 晴れ後にわか雨 『チンネ中央チムニー〜bクラック』
GWに登ろうと思い偵察登攀で訪れた中央チムニーだったが、登山靴ではしょっぱく、しっぺ返しを貰ってしまった。登攀中に雨に会ったら流水溝になり厳しくなっていただろう。また、いろいろ勉強になった登攀だった。
三ノ窓の早く到着したがガスで取付きが分からないので晴れるまで、しばらく待つ。今回は壁のル−トなので焦らないで確認する。初めてのル−トでは取り付きを見定めるのが重要だと思う。しばらくして、それと分かる大きなチムニ−が見えてきた。アプローチはジャンダルム基部をトラバースして右方ルンゼに入り左上。取付きは最初見つけられず登りすぎてしまいクライムダウン。ビレイ点はハーケンが2本打ってあるだけで残置シュリンゲは無い。ここに立つとすぐ右の北条・新村ルートや左のベルニナルートやら見えてニヤニヤしてしまう。ここから、ほぼ稲龍リードで登る。
●1P
出だしはホールド豊富で快適だったが序々に傾斜がきつくなりハーケンを求めるあまり左に寄り過ぎホールドが細かくなる。右のカンテに戻ろうとトラバースでハーケンに足を乗せてA0が入ってしまった。上部ルンゼの出口が見えたところのレッジでビレイ。このピッチが一番難しかった。ハーケンは豊富。
●2P
レッジから廻り込むところが高度感がある。チシマギチョウの生えたスタンスを使う。思いきって踏んで空中に出た方が良い(ゴメンよ−)。チムニーに入ると残置シュリンゲがある。ここから数歩、濡れていて細かいところがあり緊張した。ルンゼを抜けるところは気持ち良い。トポ通りバンド手前でピッチを切る。ハーケンを一本打ち補強する。
●3P
ルンゼから中央バンドの基部まで簡単な登りで江美子がリード。しかしザイルを引きずり落石を起こし易い。hクラック取付きでビレイする。中央バンドからは絶景で休憩し緊張をほぐす。頭上のルート群は難しそうだ。
●4P
ピナクルを目指しルンゼを登る。最初コンテで行ったが意外と急で稲龍がザイルをのばしビレイする。短いがスタカットで登った方が良いかも。頭上には直上するgチムニ−が見える。次回クライミングシューズで来たら登ろう。
●5P
aバンドを右上するピッチ。バンドと言うから簡単と思っていたら下はすっぱり切れていて高度感満天。ランぺに近い感じでアイゼンだと苦労するだろうか?距離は短いのでランナーをたくさん取る。ビレイ点まで来るとチンネの頭が近い。
●6P
浅いクラックを直上のピッチ。ここではルートファイティングに悩みかなり逡巡した。ビレイ点からの直上は残置が多く行けそうだがフェイス状で山靴には厳しい。結局、左の落ちそうな一枚岩にトラバースしてから直上した。このトラバースでヌンチャクを掴みA0直上も出だしが微妙で厳しかった。中間を過ぎると傾斜が落ちて快適な登り。右方ルンゼの見事な凹角を見下ろしてビレイ点へ。チンネの頭までピッチをのばせるが声が聞こえなくなるので止めた。
●7P
最終ピッチ。右に廻り込んで難なくチンネの頭へ出る。へーココに出るのかと感動してしまった。チンネの頭には、この日最初の左稜線パーティーが到着していた。6:00に出発したそうな。江美子を迎えて登攀終了。久しぶり「震えるリード」に気力がもたず剣頂上を諦めて熊の岩BCへ向かう。
テン場に着きノンビリしているとゴロゴロと空が鳴り出し夕立に襲われた。いやー頂上行かないで良かった。すごい土砂降りで左稜線に行った宇都宮渓嶺会の3人はビショ濡れで帰ってきた。
8月10日 曇り後晴れ 『下山』
朝早くからガスが沸き天気はイマイチだ。ノンビリ撤収していたらパラパラ降りだしてきた。そそくさと下山する。室堂まで8時間かかり行きも帰りも同じタイムなんだな〜と改めて感心する。

剣稜会4P目 |

八ッ峰ノ頭 |

中央チムニ−1P目 |

中央バンドにて |

チンネの頭 |
★今回9mmザイル一本で登攀したのですが敗退時の下降や絶対落ちられないというプレッシャーが怖くてやるべきでは無いと思いました。岩稜系ならまだしも未知のルートへは9mmダブルで臨むべきだと痛感しました。