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GWを思わせる陽気の中、今シ−ズン初の谷川バリエ−ションに行って来ました。
連日の雨などで全層雪崩の跡があちこちにありました。今年の谷川は短命かも…

【登山期間】;2006年2月25日
【山   域】;上越/谷川岳/一ノ沢左稜
【参加メンバー】;天野、稲龍(遠峰)、石橋(たらっぺ山の会) 計3名
【日程・行動概要】
24日;氏家発(21:00)⇒谷川ロ−プウェ−P(24:30)
25日;指導センタ−(5:30)〜一ノ倉出合(6:30/7:00)…一ノ沢左稜(8:30)〜シンセンのコル(13:00)…一ノ沢下降
    …一ノ倉出合(14:30)〜指導センタ−(15:30)⇒おこのみや⇒帰宅

稲龍記
2月25日 快晴
 4時にセットした目覚ましを止めてまたうとうと…気が付くと5時ちょい前。石橋さんに起こされてあわただしく準備にかかる。毎度のことながら春の谷川ほど朝つらいものはない。今週は雨で期待していなかったのだが土曜のみ快晴の予報に偵察がてら左稜を選んだ。2月一ノ倉に入るのは初めてだが山屋の姿も少ないようだ。それでも指導センターに出された計画書を見る限り10パーティーはいるみたいだ。同じ左稜にパキ遠征でお世話になった飛田さん達がいた。
 計画書を提出し一ノ倉を目指す。雪は去年も多かったが今年はソレを上回り多いところはトラバースが怖かった。ただ雪質はザラメで良く締まっている。3月中旬のようだ。マチガ沢出合にカモシカの亡骸があった。今年の豪雪で飢死したのか雪崩で死んだのか。獣やカラスについばまれたのか骨と皮だけになっていた。顔だけは生きているかのようにしっかり残っていた。同じ境遇になったら当然のように自然は消してしまうだろう。
 一ノ倉の非難小屋前で飛田さん達に会った。アイゼンを付けていると素晴らしいモルゲンロート。ガチャを付け始めてまもなく群馬の剣持さんが降りて来た。5ルンゼを目指したが本谷のクレパスが大きく止めたそうだ。遠めに見てもかなり大きく苦労していた2人組は南稜側から越えたようで上部に抜けてみたいだ。我々も左稜に向かって歩き出す。一ノ倉尾根からのデブリはまだ大きな物は無いが谷を埋めていた。壁はすっかり溶けてしまって真っ黒。烏帽子スラブもごっそり雪崩れていた。 我々は今回一ノ沢からではなく出合から続く左斜面を詰めてそのまま左稜に取付く。飛田パーティーと前後しながらJPまでサクサク登る。アイスですっかり革靴に慣れてしまった為、硬い雪面にプラ靴でのフラットフットは脹脛が消耗する。大汗を掻いた頃JP手前の所で休憩。右手にカモシカが我々を不思議そうに見ていた。快晴無風でGWのような雰囲気。
 ここから左稜の様子を観察する。JPから雪稜が始まっていそうで上部の傾斜が急に変わる所に岩峰が見える。左手の斜面を詰めても上がれそうな感じだ。その向こうにどんな景色が見えるか?ここは感性にまかせて登ることにしよう。一番近い稜に向かって登る。ぶつかった雪壁を強引に登ると左方ルンゼが目に飛び込んで来た。写真を撮りまくっていると右から飛田さん達が登ってきた。JPの岩を右に回り込むのが正規ルートらしい。ここから先は特に問題無く各自フリーで登れる。左の雪面も近く見えて高度感はあまりない。それにしても景色が良い。こんな一番近くに良いルートがあったもんだ。登りきっていないのに早くも満点を上げたい気分。
 コル状のところから急になり右上気味に草付きを抜けると先に続くリッジが見えた。高度はほとんど上げていないがうねりが強く長さが判断できない。ワクワクしてきた。先行トレースもカモシカだけでリードは格別だろう。ちょっと行ったところからクライムダウンがあるので、そこからザイルを付けた。リードはほとんど石橋さんに任せる。雪は締まっておりスノーバーが安心して使えた。
●1P目(石橋)
小さなクライムダウンが続くがナイフリッジでは無いので難しくない。ビレイはスタンディングアックス。50mいっぱい伸ばす。高度感出てくる。
●2P目(天野、稲龍)
小ピークから下るところが細いて緊張した。尾根の左側の雪もごっそり落ちていて岩が出ていた。天野さんと私は先行したがビレイが不安定なので、手前の岩角にテープを巻いてセカンドビレイ。 
●3P目(石橋)
今日のハイライトで短いがナイフリッジが出てくる。雪団子が出来て怖い思いをした。岩峰手前のコルまで5m程ザイルが届かない。少し天野さんと私で少し前進した。途中古いビレイ点あり。 
●4P目(稲龍、天野)
短いが出だしが急な登り。雪が消えて岩になるが草付きにアックスが良く効いて安心。ピーク肩にカラビナ付き残置支点有り。皆ここから懸垂しているのだろうか?一ノ沢が近い。
●5P目(石橋)
短い急な下りから小ピークに登り返す。マチガ沢の雪が落ちてしまっていて怖い。雪が腐ったら嫌らしそう。ピークでは足元に残置がありトップは馬乗りビレイ。
●6P目(石橋)
 ピークに登ってシンセンのコルかと思ったがもう一個ピークがあった。どうやらコレが最後みたいだ。また小ピークに登り返す。懸垂支点がしっかりしている。東尾根が上部に大きく見える。シンセンのコルに降り立ち大休止。
 短いがなかなか渋くておもしろいルートだった。アプローチも近いので初心者を連れて来るならこっちの方が良いと思った。当初、東尾根へ継続するはずだったが時間も中途半端だったので帰ることにする。一ノ沢上部はまだカチカチで慎重に下る。やはり未知のルートは楽しい。

一ノ倉出合

出だしの雪稜

リ−ドは石橋さん

核心のナイフリッジ