夏のヨ-ロッパに向けたアイゼンワークと登山靴での登攀目的で谷川岳/マチガ沢から東南稜を登ってきました。
【登山期間】;2006年6月10日
【山 域】;上越/谷川岳/マチガ沢・東南稜
【参加メンバー】;稲葉龍、稲葉江、桜井(遠峰)、野村、西尾 計5名
【日程・行動概要】
9日;さくら市(20:30)⇒マチガ沢出合(24:30)
10日;マチガ沢出合出発(6:10)…マチガ沢雪渓…東南稜取付(9:30)…東南稜登攀開始(10:00)…登攀終了(13:15)
〜稜線(1:30)…西黒尾根…厳剛新道…マチガ沢出合(17:30)
11日;雨天の為、一ノ倉登攀中止⇒各自帰宅
稲江記
6月10日 雨後晴れ
ブロック雪崩の危険性がある為、出発時間を4:00に予定していたが起きてみると雨が降っていた。出発時間を遅らせる事にした。東南稜取り付きまでマチガ沢雪渓を詰める。 上部付近は急斜面でダブルアックスで登る。ダブルアックスは体制が安定するし『登ってるなぁ〜』と実感できる登り方なので私はとても好きである。四ノ沢を過ぎたあたりから雪渓が割れている個所もありルート取りが難しくなる。 先行パティーがいたが行き詰まったらしくザイルを出していた。私達はザイルを出すことなく東南稜の取り付きまで辿り着く事が出来た。本来は東南稜ルートは登山靴で登る予定だったが、ルート自体が濡れている為、アイゼンで登る事にした。野村&西尾(楽稜)、桜井&稲龍&稲江でザイルを組む。 今回は桜井さんオールリードに挑戦。
●1P目 W
凹角を登る。傾斜は緩いが濡れていて大苦戦。凹角を越え、右へ回り込みスラブを登る。この部分が東南稜の核心部分とトポに書いてある。ヌルヌルでここも大苦戦。さすがに核心部分だけあってお助けシュリンゲが沢山あった。ここは迷わずA0で登る。
●2P目 W−
右のクラック、左の凹角からの2つのラインが取れる。私達は左の凹角を登る。ここの岩も濡れていて大苦戦。凹角を抜けて右上気味のトラバ−スは草付き混じりで嫌らしい。右上後は安定したテラスでピッチを切ったが3P目を考えると、もう一段上がったフェイスのドン付きで切った方がザイルの流れ、声の掛け合いも良い感じがする。
●3P目 U
傾斜の緩いリッジからリッジを登る。やっと岩が乾いて良い感じで登攀を楽しめた。さらにピッチを伸ばす為、稲龍、稲江でつるべに変えて登る。オキノ耳直下の小ピ−ク基部で桜井さんを確保。この小ピ−クは左の草付きを巻いて登山道に出れるが、忠実に登る。桜井さんがさらにリ−ドする。最後出てくるギャップを怖いがニャンパラリンすると終了。
終了地点から草付の踏跡を10分ほど登って稜線に出れた。休憩をして下山開始。私にとっては下山道が核心となった…。西黒尾根から厳剛新道を下る。時折、雪が残っているし道はドロドロで滑って歩きにくい。途中から雪渓をつないで降りることにしてドロドロの草付を足を滑らせないように慎重に下り、雪渓に下りた…。出だしがかなりの急雪壁。 『こんな急雪壁下った事無いな…』と不安になった。下を向いて下る事が出来ず、後ろ向きになって雪壁にピッケルを突き刺し慎重に降りる。雪が硬く革靴&縦走用アイゼンの私の足は上手くアイゼンが雪壁に突き刺さらない。体制を変えようと思った瞬間...足を滑らせ...自分でもイマイチどのような状態になったか分からなかったが体が1回転!?そのまま出合まで滑落!?と思ったがピッケルが上手く雪壁に刺さって体制を止めることが出来た。体が伸びきっていてピッケルにぶら下がっているような状態になっていた。体制を整え雪壁を蹴り込みアイゼンを利かせどうにか立ち上がる。恐怖感からか足がガクガクして震えが止まらない。しかし急雪壁はまだまだ続く。その後はヘッピリ腰になりスピードが上がらず登りより下りのほうが時間がかかる結果となりました。かなり充実したアイゼンワークトレーニングとなりました。精神的に疲れた。
稲龍記
ガイドでは快適そうな印象だったが今回はヌレヌレの為かビブラム底は全く歯が立たなかった。後に聞けばあそこら一体は『蛇紋岩』と言う濡れると、とても滑る岩壁帯だそうで。全ピッチアイゼンで登ったが2P目以降、岩が軟らかく蹴り込んでも弾かれなかった。残置ピトン、切れそうなシュリンゲなどバ−ゲンセール状態であった。かといって優しいかと言われるとそんな事は無く脆い部分が多々あった。また、あの滑るコンディションではA0は避けられなかった。初見でリ−ドした桜井さんにはちょっとキツかったかなと思った。岩もしっかりしているわけではなく一ノ倉の南稜の方がむしろ快適とさえ思った。むしろ取り付までの雪渓をダブルアックスでガシガシ登る爽快感が強く残った山行だった。
下山では江美子の滑落は良く見ていなかったのだが、もっと下降でフォロ−すべきだったなと反省。次回からは登りより下りを重視して見よう。